※本記事はプロモーションを含みます
指示を投げれば、それらしい文章は数秒で返ってくる。ところが、そのまま上司に見せられるかというと手が止まる。生成AIを仕事に持ち込んだとき、最初にぶつかるのはたいていこの壁ではないでしょうか。
先に要点を置きます。返ってきた答えが浅いと感じたとき、こちらから動かせるのは指示の設計のほうです。役割・前提・制約・出力形式・評価基準——この5つを埋める形に書き換え、1回で完成させず追加指示で詰める。やることはこの2点に絞れます。
※この記事はファーストキャリア編集部が、公開情報の整理と手順の設計としてまとめたものです。同じ書き方をすれば同じ品質の出力が得られると保証するものではありません。
結論|仕事で使えるプロンプトの書き方の要点を先に
💡 この記事の結論
プロンプトは①役割 → ②前提 → ③制約 → ④出力形式 → ⑤評価基準の5要素を順に埋める形で書きます。そのうえで初回の答えを完成品と見なさず、差分の追加指示で2〜3回詰めていく。使う道具がChatGPTでも、Google Geminiでも、Claudeでも、この骨格の作り方自体は共通で使えます。
なぜ5つに分けるのか。「取引先に送る営業メールを書いて」とだけ頼んだ場合、誰に向けた、どれくらいの長さの、どんな温度感のメールなのかは指示の外側に置かれたままになります。書かなかった条件が、こちらの望みどおりに埋まるとは限りません。
裏を返せば、埋めてほしくない空白を先に自分で埋めておく——それだけで、返ってくる文章は業務で使える形にぐっと近づきます。特別な言い回しを覚える必要はなく、渡す情報の欠けを潰す作業だと考えてください。
そもそもの入り口から整理したい段階なら、生成AIの使い方を初心者向けにまとめた記事を先に通しておくと、この5要素がどこで効いてくるのか掴みやすくなります。
具体的な手順(何から始めるか)
手順は単純です。5つの欄を持ったメモを1枚作り、上から順に埋める。それだけで、その業務専用のプロンプトが1つ出来上がります。
| 要素 | 書かないと起きること | 書き方の目安 |
|---|---|---|
| ①役割 | 誰の視点で書かれた文章なのか定まらない | 「法人向けサービスの営業担当として」など立場を1行で置く |
| ②前提 | 読み手と場面が想像で補われる | 相手・目的・これまでの経緯を箇条書きで渡す |
| ③制約 | 分量、語調、避けたい表現がぶれる | 文字数の目安、敬体か常体か、禁止事項を具体的に |
| ④出力形式 | そのまま貼れない形で返ってくる | 表・箇条書き・見出し付き本文など、器を指定する |
| ⑤評価基準 | 直しの指示が「なんか違う」で止まる | 何が満たせていれば合格かを先に宣言する |
5つのうち、書く手が止まりやすいのは⑤の評価基準でしょう。省いても文章自体は返ってきます。ただ、合格の線を先に言葉にしておくと、2回目の指示を「もっと良くして」ではなく具体的な差分で出せるようになります。
悪い例と、5要素で直した例
同じ用件を、書き方だけ変えて並べてみます。
悪い例:「取引先に送る営業メールを書いて」
✅ 5要素を埋めて直した例
役割:あなたは法人向けサービスの営業担当です。
前提:相手は先月の展示会で名刺交換した製造業の情報システム部門の担当者。商談にはまだ至っていません。
制約:本文は400字前後、敬体で統一。効果を保証する表現と値引きの示唆は使わない。件名も付ける。
出力形式:件名/本文/署名欄の3ブロックに分けて出す。
評価基準:展示会での接点に触れていること、返信が「日程を選ぶだけ」で済む形になっていること。この2つを満たせば合格。
増えたのは情報量だけで、凝った言い回しは1つも使っていません。プロンプトの書き方でつまずくとき、足りないのは語彙ではなく、渡していない情報のほうだと分かります。
1回で仕上げない|追加指示で精度を詰める運用
5要素を埋めても、初回の出力がそのまま完成品になるとは限りません。ここで大事なのが受け取り方です。1回目はたたき台として扱い、2回目以降を「差分の指示」に使う。この前提に切り替えると、往復そのものが作業工程になります。
差分の指示にはコツがあります。全部を書き直させないことです。「もっと良くして」と投げれば、気に入っていた部分まで作り替えられ、どちらが良かったのか比べる手間だけが増えていきます。
- 直す箇所を名指しする(「2段落目だけ」「件名だけ」)
- 方向を形容詞ではなく条件で言う(「硬く」ではなく「敬体に統一し、体言止めを使わない」)
- 残す部分を明示する(「構成と件名はそのまま」)
- 不採用の理由を1行添える(「導入が長く、用件が3行目まで出てこないため」)
- それでも噛み合わないときは、修正を重ねず③制約に書き足して出し直す
3往復しても形にならない場合、いじるべきは指示の細部ではありません。②前提に渡し忘れている情報がないか、そちらを先に確認します。相手の立場、締切、社内で通す相手——このあたりが抜けていることは珍しくないはずです。
この往復のしかたは道具を替えても大きくは変わりません。ChatGPTを使った具体的な進め方はChatGPTの活用方法をまとめた記事で手順に落としています。
入れてはいけない情報と、出力の裏取り
⚠ 入力する前に確認したいこと
- 社内情報・機密情報:未公開の資料、取引先から預かったデータ、システムの認証情報は入力しない。勤務先に生成AIの利用規程があるなら、まずそこを読む。
- 個人情報:氏名、連絡先、顧客リストをそのまま貼らない。必要なら「A社の担当者」のように置き換えて渡す。
- 契約で縛られている情報:秘密保持契約の対象は、要約であっても入力の可否を確認してから扱う。
個人情報の取り扱いや契約に関するトラブルの相談先については、国民生活センターの公式サイトで案内を確認できます。
もう一つ、出力の扱いにも線を引いておきます。返ってきた文章に含まれる数値、固有名詞、日付、URL、制度や法令の名称は、そのまま提出せず一次情報で確かめる。確認先は公式サイト、官公庁のページ、原典の資料です。どこでも確かめられなかった記述は、手直しするのではなく丸ごと落としてしまうのが安全な処理になります。
ツールの機能や、入力できる内容の範囲についても同じ姿勢で臨んでください。何ができて何ができないかは更新されていくため、各サービスの公式ヘルプで最新の要件を確認するのが前提です。
成果を確かめる方法(何をもって出来たとするか)
プロンプトの練習は、上達したかどうかが見えにくい作業です。だからこそ判定の線を自分で決めておきます。目安になるのは次の4つの観点でしょう。
| 確認する観点 | まだ途中の状態 | できたと言える状態 |
|---|---|---|
| 手直しの量 | 返ってきた文章を毎回ほぼ全面的に書き直している | 固有名詞と数字の差し替えだけで提出できる |
| 往復の回数 | 何度投げても求める形に近づかない | 2〜3往復で骨格が決まる |
| 再現性 | うまくいった指示を翌週には思い出せない | 保存したプロンプトを同じ用途で再利用できる |
| 説明できるか | 「なんとなく良かった」で終わる | どの要素を足したから直ったのかを言葉にできる |
右側の欄が2つ以上埋まった業務から、テンプレートとして保存していきます。万能の1枚を育てようとするより、業務単位で小さく分けたほうが結局は使い回せます。議事録の要約と提案メールでは、前提も合格の線も別物になるからです。
next step|次に手をつける順番
順番を誤ると、覚えることばかり増えて手が止まります。1か月を使って回すなら、こんな並びが取り組みやすいはずです。
💡 4週間の進め方
1週目:毎日発生する業務を1つだけ選び、5要素のメモを1枚作る。
2週目:差分の追加指示だけを練習する。プロンプトを書き直さず、指示だけで直しきる。
3週目:⑤評価基準を先に書いてから投げる形に切り替える。
4週目:保存したプロンプトを2枚に増やし、同僚が読んでも意味が通る書き方へ整える。
そもそも仕事のどこからAIを入れるか決めかねているなら、AIスキルを仕事に入れる順番を整理した記事を先に読んでおくと、練習台にする業務を選びやすくなります。
独学で回すか、体系立てて学ぶか。この分かれ目は知識量ではなく、時間の使い方と、詰まったときに自力で立て直せるかどうかにあります。学習からサポートまでを含むサービスを検討するなら、FIRST AIのような選択肢もあります。料金・提供内容・サポートの範囲は各公式サイトの案内で確認し、成果を保証するような説明には慎重に向き合ってください。
始めた人がよく誤解していること
誤解1|特別な言い回しを覚えれば精度が上がる。効いているのは呪文めいた表現ではなく、渡した情報の量と条件の明確さです。同じ「営業メールを書いて」でも、相手と目的と合格の線を添えれば返ってくるものは変わります。集めるべきはフレーズ集ではなく、自分の業務の前提を書き出したメモのほうです。
誤解2|長く書くほど良い。関係のない背景まで足していくと、どの条件が効いたのか自分でも追えなくなります。削る順番は決めておきましょう。説明的な前置きから落とし、③制約と⑤評価基準は最後まで残す。この2つが指示の芯になります。
誤解3|1回で完成させるのが上手な使い方。むしろ逆で、往復を前提に組んだほうが早く形になります。初回は方向を確かめるための1手だと割り切ってください。
誤解4|AIが調べてくれるから裏取りはいらない。提出物の責任を負うのは書いた人です。数値と固有名詞は一次情報で確かめる——ここだけは自動化せず、手元の作業として残しておきます。
よくある質問|仕事で使えるプロンプトの書き方
まとめ|仕事で使えるプロンプトの書き方
ここまでの内容を、明日そのまま使える形に畳んでおきます。
- ①役割 ②前提 ③制約 ④出力形式 ⑤評価基準——この5つを埋めるメモを業務ごとに1枚作る
- 初回の出力はたたき台。直す箇所と残す部分を名指しした差分指示で2〜3回詰める
- 噛み合わないときは指示を重ねず、②前提に渡し忘れがないか戻って確認する
- 社内情報・個人情報・契約で縛られた情報は入力しない。迷ったら規程を先に読む
- 数値と固有名詞は公式サイトや原典で裏取りし、確かめられない記述は落とす
プロンプトの書き方は、才能ではなく手順の話です。1つの業務で型ができれば、2枚目からは驚くほど早く仕上がります。
まずは毎日発生する業務を1つ選び、5要素のメモを作るところから始めてみてください。どの仕事から手を付けるか迷うなら、順番の決め方を整理した記事が判断材料になります。

