※本記事はプロモーションを含みます
教材は最後まで終えた。ツールも一通り触った。それなのに応募フォームの「制作物・ポートフォリオ」の欄でカーソルが止まったまま動かない——AI転職の準備でいちばん詰まるのは、だいたいこの場面ではないでしょうか。
結論から言うと、埋めるべきなのは作品の数ではなく、1本あたりの説明のほうです。何に困っていたのか(課題設定)、どうやって解いたのか(使った手段)、どうなって次に何を直すのか(結果と振り返り)。この3つがそろって初めて、成果物は「作った記録」から「仕事の進め方が読み取れる資料」に変わります。
※この記事はファーストキャリア編集部が、公開情報の整理とポートフォリオ作成の手順設計としてまとめたものです。ここで示す進め方は選考の通過を保証するものではなく、求められる内容は応募先や職種によって変わります。
結論|AI転職用ポートフォリオの作り方の要点を先に
この記事の結論
やることは3つ。①1本目の題材を「自分が実際に面倒だと感じている作業」から選ぶ → ②課題設定・使った手段・結果と振り返りの3点セットで書く → ③公開前に素材の出どころと権利の扱いを確認する。この順番が逆になり、見栄えのする題材を先に決めてから説明を後付けすると、説明のつかない部分が最後まで残ります。
3点セットと呼んでいるのは、成果物1本につき必ず書いておく3つの欄のことです。どれか1つが欠けると、読む側は残り2つから足りない部分を想像するしかなくなります。何がどう抜けるのかを並べると、次のようになります。
| そろえる要素 | 書いておく内容 | 抜けたときに起きること |
|---|---|---|
| 課題設定 | 誰のどんな手間を減らそうとしたのか。着手前がどういう状態だったのか | 題材を選んだ理由が読めず、「とりあえず作ったもの」として扱われる |
| 使った手段 | 使ったツール、指示の出し方、うまくいかずにやり直した部分 | 完成品だけが残り、同じことをもう一度できるのかが分からない |
| 結果と振り返り | 着手前と比べて変わった点、残っている課題、次に直したいところ | 良かった面だけの紹介になり、自分で改善点を見つけられるかが伝わらない |
凝ったアプリより「小さな成果物」を先に置く理由
作るものが大きくなるほど、完成までの工程は長くなります。長くなれば、途中でどう判断したかは作った本人の記憶からも抜けていく。半年かけた力作なのに、説明欄には機能の一覧しか書けない——という状態は、そこから生まれます。
小さな成果物には逆の性質があります。手をつける前の状態と、終わったあとの状態を並べて書けるだけの短さがある。だから3点セットが埋まります。これは好みや流行の話ではなく、説明できる材料が手元に残るかどうかの差です。まず1本を最後まで説明できる形にして、そのやり方を次の題材に持ち込む。順番としてはこちらが先です。
そもそも未経験からの転職準備を何から積み上げるかで迷っているなら、未経験からのAI転職の進め方をまとめた記事で全体の並びを確認してから、この記事の手順に戻ってくるほうが迷いが少なくなります。
つまずきやすい場所と回避策
ここからは、手が止まりやすい場所を4つに分けます。とくに後半2つは、あとから直すのが難しい部分なので、公開する前に必ず一度目を通してください。
作品の数を増やす方向に走ってしまう
欄が埋まらない不安は、数で解消したくなります。ところが3点セットが書けていない成果物は、何本並べても同じ情報しか渡せません。増やす前に、手元にある1本の説明欄を開いて、課題設定の行が空いていないかを見る。空いていたら、次を作るより先にそこを埋めるほうが早く前に進みます。
現職のデータや顧客情報をそのまま素材にしてしまう
いちばん近くにある題材は、いま働いている職場の作業です。だからこそ、素材の持ち出しには線を引いておく必要があります。
素材にしないもの
- 顧客・取引先の情報/氏名、連絡先、社名、取引条件など、相手方に関わるものは加工の有無にかかわらず外へ出さない。
- 社内のデータ・資料そのもの/売上表、名簿、社内フォーマット、未公開の資料。スクリーンショットも同じ扱いです。
- そこから作った生成物/社内データを入力して出力させた結果は、元データの性質を引き継ぎます。
勤務先の就業規則や秘密保持の取り決めがどこまでを対象にしているかは、自分で読み直して確認してください。判断に迷う素材は、使わない側に倒すのが確実です。
では現職の経験は使えないのか、というとそうではありません。題材の構造だけを借りて、中身を自分で作り直すという手があります。「毎月同じ形式の書類を手作業で整えている」という困りごとの形は残し、扱うデータは架空のものを自分で用意する。作業の流れを説明できるという価値は保ったまま、持ち出しの問題を切り離せます。
生成物の権利と出典があいまいなまま公開する
生成AIを使った成果物には、素材の出どころという問題がついてきます。公開する前に、次の項目を自分の成果物に当てて確認しておいてください。
- 使ったツールの名前と、どの工程で使ったのかを説明欄に書いたか
- 入力した素材(文章・画像・データ)の出どころを自分で言えるか
- 他者の文章・画像・コードを取り込んだ箇所があれば、その出典を示したか
- 参考にした資料があれば、リンクまたは名称を明記したか
- 使ったツールの利用規約で、生成物の扱いがどう定められているかを公式の記載で確認したか
権利の扱いはツールごとに定めが違い、改定もされます。ここで一律の結論は書けないので、使っているサービスの公式ヘルプや規約で最新の記載を確認してください。そのうえで、説明欄に「どのツールをどう使ったか」を書いておく。隠さず書いてあること自体が、確認可能な資料になります。
動くものだけを置いて、説明を書かない
リンク先を開けば分かる、という前提は成り立ちません。開いてもらえるとは限らず、開いても着手前の状態は画面に写らないからです。成果物のページには、最初に3点セットを短くまとめた文章を置く。本体はその下で構いません。
具体的な手順(何から始めるか)
ここからは実際の動かし方です。1本目から完成度を狙う必要はなく、説明が最後まで書ける状態をゴールに置きます。
- 自分が面倒だと感じている作業を5つ書き出す(仕事以外の生活の中の作業も含めてよい)
- そのうち、終わりの条件がはっきりしているものを1つ選ぶ
- 着手前の状態をメモに残す(手順の数、かかっている工程、面倒に感じる箇所)
- 解く手段を決め、途中でうまくいかなかった試行もメモに残しておく
- 成果物を形にする(アプリでも、手順書でも、テンプレートでもよい)
- 着手前のメモと見比べて、変わった点と残った課題を書く
- 素材の出どころと権利の確認を通してから公開する
1本目の題材に向くもの・避けたいもの
題材選びで迷ったときの判断材料を、対にして挙げておきます。
1本目に向いている題材
- 終わりの条件を自分で数えられる(何件そろえば完了か言える)
- 着手前の状態を、あとから思い出さなくても書ける
- 素材を自分で用意できる(外部から借りずに済む)
- 一度作ったあと、少し直して改善の記録を残せる
1本目には避けたい題材
- 完成の定義が自分の中でも曖昧で、どこまで作れば終わりか決まっていない
- 素材が職場や他者のものに依存していて、差し替えがきかない
- 工程が長く、途中の判断を最後まで覚えていられない
- 見栄えの部分に時間の大半が吸われ、説明する中身が育たない
2本目からは、1本目の説明の型をそのまま流用できます。題材を変えても、書く欄の並びは同じだからです。
必要な道具・環境をそろえる
置き場所の候補として名前が挙がるのは、GitHub、Notion、Canvaあたりです。どれを選ぶかは、作ったものの形で決まります。コードが中心ならGitHub、説明の文章と手順が中心ならNotion、資料や図として見せるならCanva、という対応の付け方が素直なところ。ただし、それぞれで何ができるか、無料の範囲がどこまでかは変わりますので、各公式サイトの案内で確認してください。
置き場所を決める前に確認したいこと
- 応募先から提出方法の指定があるか(指定があればそれが最優先)
- リンクを共有したとき、相手側がログインなしで開ける状態か
- 公開範囲の設定が自分で切り替えられるか
- 説明の3点セットを、成果物と同じ場所に置けるか
道具より先に決めておきたいのは、学ぶ順番のほうです。何から手をつけるかが定まっていないと、ツールを増やすほど作りかけが増えます。順番の整理はAIスキルの学習ロードマップをまとめた記事にありますので、そちらで骨組みを決めてから道具を選んでください。
学習の進め方ごと外部に任せたい場合は、FIRST AIのような学習サービスを検討する選択肢もあります。含まれる内容やサポートの範囲、費用は各公式サイトの記載で確認するのが確実です。有料の契約で不安が残るときや、解約をめぐって困りごとが起きたときは、消費者トラブルの相談窓口を案内している国民生活センターの情報もあわせて確認できます。
時間の作り方と現実的なペース配分
ここで「1本◯日」という目安は示しません。使える時間は仕事と生活の状況で大きく変わりますし、こちらで数字を決めても、その通りに進まなかったときに手が止まるだけだからです。代わりに、まとまった時間が取れない前提で組み立てる方法を置いておきます。
やり方はシンプルで、1本を工程に割ってから予定に入れるだけです。手順の①〜⑦は、そのまま別々の日に分けられます。題材の書き出しだけ、着手前メモだけ、と区切っておけば、30分しか空かない日でも1工程は前に進みます。
止まりにくくする3つの置き方
①終わった工程と次の工程をメモの先頭に書いておく(再開時に思い出す時間を消す)。②手が止まったら成果物本体ではなく説明欄を書く(考えが整理され、次に作る部分が決まる)。③1週間開いてしまったら、進める前に着手前メモを読み返す。この3つで、間が空いても最初からやり直しにはなりません。
働きながら時間を確保する組み立て方そのもので悩んでいるなら、AI副業の始め方を手順で整理した記事が参考になります。副業として動く場合も、実績の見せ方はこの記事の3点セットと同じ形が使えます。
よくある質問|AI転職用ポートフォリオの作り方
まとめ|AI転職用ポートフォリオの作り方
この記事で扱ったことを、短く並べ直します。ポートフォリオで埋めるのは作品の数ではなく、1本あたりの説明。書く欄は課題設定・使った手段・結果と振り返りの3つ。題材は自分が面倒だと感じている作業から選び、終わりの条件が数えられる小さなものを先に置く。そして公開の前に、現職のデータを素材にしていないか、素材の出どころと権利の扱いを説明できるかを確認する。
置き場所の候補としてはGitHub、Notion、Canvaといった名前が挙がりますが、選ぶのは成果物の形が決まってからで間に合います。各サービスでできることや無料の範囲は変わりますので、公式サイトの案内を確認してください。
手を動かす順番としては、まず1本。3点セットが最後まで埋まった成果物が1つあれば、次からは同じ型を当てはめるだけになります。
未経験からの転職準備を、応募までの流れとして先に把握しておきたい方へ。


