※本記事はプロモーションを含みます
社内で生成AIの旗振り役をしていると、取引先や知り合いの会社から「うちでも同じことをやってほしい」と声がかかることがあります。そこで手が止まる理由は、たいてい実力でも料金でもありません。何をどこまで引き受けるのかが、自分の中で決まっていないからです。
この記事の答えを先に置きます。いきなりコンサルタントを名乗る必要はありません。マニュアル作成、勉強会、プロンプト整備——区切りのある単位のメニューから切り出し、提供範囲と責任範囲を契約書で線引きしてから受ける。そして、成果や削減効果を保証する売り方はしない。この3つを先に決めてしまえば、相談の大小にかかわらず同じ物差しで判断できます。
※この記事はファーストキャリア編集部が、公開情報の整理と進め方の設計としてまとめたものです。特定の働き方が収入につながることを保証するものではありません。金額や単価には触れません。
結論|AI導入支援を副業にする手順の要点を先に
💡 先に決めておく3つ
①勤務先の副業規程と競業避止の確認を最初に置く → ②「作業として終わりが見える単位」でメニューを切り出す → ③提供範囲・責任範囲・成果を保証しないことを契約書に書く。順番を入れ替えて提案書や料金表から作り始めると、引き受けたあとで受け方そのものを変えることになります。
AI導入支援という言葉は幅が広く、聞く人によって想像するものが違います。ツールの選定から社内ルールづくりまで面倒を見る仕事を思い浮かべる人もいれば、手順書を1本書いてもらえれば十分という会社もある。この落差を埋めないまま「支援します」と答えるのが、いちばん危ない入り方です。
だから最初にやるのは、相手の期待の大きさを測ることではなく、自分が引き受ける範囲をあらかじめ決めておくこと。範囲が決まっていれば、相談内容がそこに収まるかどうかで受否を判断できます。副業そのものの選択肢をまだ広く見ておきたい人は、AIを使った副業の種類を並べた記事で全体像を確認してから戻ってきてください。
必要な道具・環境をそろえる
機材を買い足す話ではありません。用意するのは、作業の環境と、判断に使う書式です。
- 支援先がどのツールを前提にしているかの確認(ChatGPTなのか、Microsoft 365 Copilotなのか)
- 自分の作業アカウントと、支援先から預かる情報の取り扱いルール
- 打ち合わせメモと納品物の置き場所(版が分かる形にしておく)
- 契約書と見積書のひな形(毎回ゼロから書き起こさない)
- 請求から入金までの流れ
ツール名の確認を最初に挙げたのには理由があります。同じ「AIを業務で使う」でも、前提のツールが違えば手順書に書く操作も、勉強会で見せる画面も変わるためです。機能や提供条件は更新されていくので、いま何がどこまで使えるのかは各公式ヘルプで最新の案内を確認してください。この記事で個別の仕様には踏み込みません。
⚠ 情報の預かり方は着手前に決める
支援先の資料やデータを自分の環境で扱うのかどうかを、作業を始めてから相談すると話がこじれます。持ち出さないのか、預かるなら保管期間と返却・削除をどうするのか。この取り決めは、後述する契約書の項目としてもう一度出てきます。
始めた人がよく誤解していること
相談を受けた段階でつまずく人には、共通した思い込みがあります。生成AIのコンサルを個人で名乗るべきかどうかで悩む前に、次の対応関係を見てください。
よくある誤解
- コンサルタントを名乗らないと、まともな仕事にならない
- 導入すれば業務時間が減ると言い切って提案する
- 社外の話だから、勤務先には関係がない
- ツールに詳しければ支援ができる
置き換えるとこうなる
- 区切りのある仕事を重ね、できることの実績で説明する
- 約束するのは「やること(提供物)」であって、効果ではない
- 副業規程と競業避止の確認が、受注より前にくる
- 相手の業務の流れを聞く時間を、作業の前に確保する
効果の話はとくに注意が必要です。削減時間や成果を保証する言い方で売ると、思うように進まなかったときに責任の所在が自分側へ寄ります。提案書に書くのは、いつまでに何を渡すか。ここを守るだけで、このあとの契約の線引きがずっと楽になります。
具体的な手順(何から始めるか)
ステップ1|勤務先のルールを先に読む
就業規則の副業に関する定め、届出の要否、競業避止の条項。この3点を自分の目で確認します。読んでも判断がつかない書き方なら、勤務先の担当窓口に確認するのが早道です。相談してきた会社が勤務先と近い業種の場合は、受ける前に整理しておきたいところ。
ステップ2|メニューを切り出す
「AI導入支援」を一括で売らず、独立して発注できる形に割ります。切り出しやすいのは次の3つ。
| メニュー | 引き受ける範囲の例 | 着手前に確認すること |
|---|---|---|
| 業務マニュアル作成 | 対象業務を絞り、手順書として作業の流れをまとめる | 対象業務の範囲、改訂は何回まで含むか |
| 社内勉強会・研修 | その会社の業務を題材に、操作と考え方を説明する時間を持つ | 参加人数、開催形式、資料の二次利用の可否 |
| プロンプト整備 | よく使う指示文を型にして、社内で使い回せる形に整える | 題材にする業務、社外に出せない情報の扱い |
※メニューの区切り方の一例です。実際の範囲は相手の状況で変わるため、見積書に文章で書き出してから合意してください。
研修を単発で引き受ける形は、社内AI研修を個人で提供したい人の入り口にもなります。法人向けの提供形態がどう組み立てられているかを知っておくと、自分のメニューの粒度を決める材料になります。法人向け生成AI研修を比較した記事も並べて見ておくと、説明の順番の参考になるはずです。
ステップ3|契約書で線引きする
金額よりも先に、書面で決めておく項目があります。
✅ 契約書に書き出す項目
- 提供するもの/提供しないものの具体的な列挙
- 対応の時間帯・回数・修正の上限
- 秘密情報の範囲と、預かった資料の返却・削除
- 成果や削減効果を保証しない旨
- 納品物の権利と、二次利用・再委託の可否
- 契約期間と、終了のしかた
- 費用と支払い時期、範囲外の作業が出たときの扱い
実際の条文の書き方は法律の専門家に確認してください。ここに挙げたのは、話し合いの前に自分の考えを固めておくための項目です。
ステップ4|業務効率化支援の案件の入り口をつくる
案件の探し方より先に、自分が説明できる形を整えます。社内でやってきた改善を職務経歴のまま語っても、外部にはうまく伝わりません。どの業務を、どういう手順に置き換えたのか。この単位で書き出すと、そのままメニューの説明文になります。手持ちのスキルを並べ直したいなら、AIスキルを学ぶ順番をまとめたロードマップ記事が下敷きになります。
説明の型そのものを学び直したい場合は、FIRST AIのような学習サービスを検討する手もあります。カリキュラムの範囲やサポートの条件は、各公式サイトの案内で確認するのが確実です。
向いている人・向いていない人
この副業が向くのは、AIに詳しい人というより決めごとを文章にできる人です。社内で手順書やマニュアルを書いた経験がある。相手の話を遮らずに業務の流れを聞き出せる。範囲外の依頼が来たときに「それは別の見積りになります」と言える。この3つが揃っていれば、小さな案件から積み上げていけます。
⚠ いまは向いていないかもしれない人
- 効果を約束しないと売れない、と感じている
- 勤務先の規程を確認しないまま進めたい
- 単発の作業を「小さい仕事」と考えて雑に扱ってしまう
どれも性格の問題ではなく、準備の順番の問題です。①から潰していけば入り口は変わります。
よくある質問|AI導入支援の副業
まとめ|AI導入支援を副業にする手順
要点を並べ直します。勤務先の副業規程と競業避止の確認を最初に置く。マニュアル作成・勉強会・プロンプト整備のように、区切りのある単位でメニューを切り出す。提供範囲と責任範囲を契約書で線引きし、成果や削減効果は保証しない。この順番は動かさないほうが、あとが楽になります。
前提にするツールがChatGPTでもMicrosoft 365 Copilotでも、設計そのものは変わりません。変わるのは手順書に書く操作のほうで、そこは各公式の案内を見ながら合わせていけば済む話です。
どの入り口から始めるか、もう一度見比べたい方へ。


